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「恵庭市民文藝」38号(北海道恵庭市) 達者な上森ゆう子「八月のアジサイたち」 読ませる短編の「長い髪」、十勝の開拓史を背景に「アオの絆」 半沢孝平の純な詩心に注目

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2013年11月29日(金)04時20分59秒
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  上森ゆう子「八月のアジサイたち」は、地方新聞社系列の雑誌社の編集長の須藤は、大手広告スポンサーから天下りしてきた。美人の絵梨が須藤といい関係になっている職場不倫。ところが、絵梨は会社を辞めたあとも編集室に入ってきて、編集長の須藤がいないとき、編集長のデスクにドンと座り、大きな顔でキーボードを叩くようになった。そんな喜劇的な職場の雰囲気を、女子社員の目線から意地悪に描く作品は面白い。達者な作者だが、書き飛ばしで起承転結が中途半端なのは惜しまれた。

岩井利海「桜樹」の少年時代の初恋物語は叙情がいい。

高橋正彰「長い髪」は、主人公の男が車に乗ってダムのある故郷の友人を訪ねる。その折、神社にまつわる怪奇現象の話を聞く。その後、美術館で知り合った得体の知れない女と関係を持つ話に発展し、最後に主人公は祟られて・・という怖い結末が面白い。

国府田稔「アオの絆」は、父が戦地に行ったので、小学校五年生の龍一が馬の世話係になった。ところが、馬は軍用に徴収されてしまった。故郷の成人式に出席した龍一は、そんな昔のことを回想する。戦後の十勝平野の村の開拓史をバックに、主人公の幼馴染や恋人との結婚話まで、馬にまつわる物語を紡いでゆく話は読ませる。

詩作品が充実している。半沢孝平の「しおおにぎり」「自転車散歩事件」「らららばいばい」の三作はこの作者のピュアな詩心を豊かに読者に訴え注目した。

たきたての めし
ささやかな しおにぎり
あつあつを ほおばり
ときに みそしる

しおにぎり
めしの あまみ
しおの うまみ
かたすぎず

やわすぎぬ
しおにぎり
かぶりつけば ほろり

ほんわか くずれて
うまい
ねても さめても

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