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ヴェールト詩抄 6

 投稿者:doitsugoken  投稿日:2008年 7月 1日(火)17時48分35秒
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  神殿と宮殿は
杉の木で建てられ
人々の衣服には
金や銀の総がついているって −
こちらで過ごした日々を
忘れはしませんわ!」
彼女は数えきれないほど
豪華な贈物をした

この好意にいたく喜んだ
ソロモンは
ためらうことなく
魔法の術を披露した
マーモットのような
すごい跳躍をしたので
宮廷中はすんでのところで
笑い死にするところだった!

こうして何か月も過ごした後
女王は故郷へと
駱駝に乗って
別れを惜しみながら帰って行った −
その後老ソロモンは
胃を悪くして
もはや生を楽しめなくなり
まもなく死んでしまった


  聖霊降臨祭の歌

彼らは愛情のこもった仕草で
抱擁しあい、接吻しあった
愛すべき若者、春が
大いなる女性、大地を訪れたのだ

彼はそのやさしく誠実な女性の首に
思いきり跳びついた
澄みきった空に
歓楽と喜びが響き渡った

「息子よ、お前が来てくれて嬉しいよ!
冬の嵐が長かったからね
畑には黄金色の装いを
庭には百合やバラをおくれ

お前が行ってしまってから
ナイチングールもみな歌わなかったのよ
鳥たちには緑のホールを
鹿たちには花の絨毯をあげてね

冬の激しい嵐が吹いてたときは
よくお前のことを考えていたよ

「人間たちにですって」
さあ、愛すべき人間たちには
何を持ってきたのか、言ってごらん」
はっとして若者の春は言った −
素早くポケットに手を入れた
「ほらっ! 革命をいちダース」


  警視総監になったなら

警視総監になったなら
どいつもこいつもしょぴいてやる
とびきりの別嬪さんをみんな
牢屋に入れてやる

綱やビロードを着せ
黄金の総で飾らせ、さいなんでやる
アンブロジアを食べさせ
シャンパンを飲ませてやる

ああ、秘密の尋問では
女たちはそっともらすだろう
長い愛のくりごとを
粋な罪の数々を

ブロンドちゃんには40回キスしてやろう
鳶色ちゃんには80回の罰だ
しかも黒髪の女はたっぷりといじめてやるんだ
裁判所の書記も好色じいさんのように喜ぶぜ

検事殿はもったいぶって
真面目な顔して言うだろう
「わが輩は穢れ無き水で手を洗おう
あのピラトと同じく罪はないのだ」

謀反人より危険な存在
そういう者は牢屋に入れてやる!−
それは甘美な肉体を持つ
可愛いあの女


  今朝ぼくはデュッセルドルフヘ行った

今朝ぼくはデュッセルドルフヘ行った
たいそうお上品な紳士を道づれだ
それは参事官氏 −『新ライン新聞』を
罵ることすさまじい

「この新聞の編集員ときたら」
と彼は言った、「みんな気違いだ
連中ときたら神様も
検事正ツヴァイフェル氏も何とも思っちやいない

この世の一切の不幸に対する
唯一の処方箋は
バラのように赤い共和政治と
財産の完全な分配だと考えているのだ

全世界は
何億という零細地に
同じ数の土地、同じ数の砂
海の波の数ほどに分割されるのだ

みんなそれをひとつずつ分配されて
それぞれに好き勝手するのだ −
一番良いところを手に入れるのは
『新ライン新聞』の編集員というわけだ

やつらは女の共有も目論んでいる
結婚を廃止しようとしているのだ
将来は本能の赴くままに
誰とでも一緒に寝るというわけだ

タタール人やモンゴール人がギリシヤ女と
ヒェルスカー人が黄色のシナ人と
北極熊がスエーデンのナイチンゲールと
トルコ女がインディアンと

魚油臭いサモエードの女たちは
イギリス人やローマ人と寝ることになる
鼻ぺちゃの陰気なカフィル人は
真っ白い膚のおしゃれ娘とね

そうさ、世界は一変する
この近代的統治によって −
その上、とびきりの美人を手に入れるのは
『新ライン新聞』の編集員というわけだ!

やつらは一切がっさい解体しょうとしているのだ
おお、やつらは神を冒涜し嘲弄しているのだ!
将来は誰も所有してはならないのだ
私的財産としての神を

宗教は廃止される
もはや、クルミやブドウを繁らせる
ライン川を信じてはならないのだ
メディチのヴィーナスも

カストールもポルックスも信じてはならない −
ユノーもクロノスの子ゼウスもだ
イシスもオシリスもだ
おお シオンの丘よ、お前の壁も信じてはならぬのだ!

そうさ、ヴォータンもトールの神もだめだ
アラーもブラーマも −
『新ライン新聞』だけが
ダライ・ラマというわけだ」

そこで参事官氏は口を閉じた
ぼくは少なからず感嘆いたしました
あなたはこの狂った時代では
大変ものわかりのよい方ですね!

あなたと道づれさせていたゞいて
とっても感激いたしました −
ぼく自身がほかでもなく
『新ライン新聞』の編集員のひとりなんです

さあ、旅をお続けなさい、親愛なる方よ
そしてわれわれの名声を諸国にふれまわって下さい −
一個の人間としてもまた参事官としても
あなたの心は束縛されることはありません

さあ、旅をお続けなさい、善良な方よ −
ぼくはわれわれの愉快な文芸欄に
あなたの記念碑を建てるつもりです −
あなたは名誉を重んじられる方です

たしかに、お人よしだからといって
誰でもわれわれの足蹴を食らうわけではありません −
親愛なる参事官殿、あなたに衷心より
挨拶できることを名誉に思います


  敵にかみつくことほど愉快なことはない

   I

この世で、敵にかみつき
野暮なやつの
けっこうな機知をやっつけることほど
愉快なことはない

そう考えて、もう弦も合わせた
ところが、活動停止に追いこまれてしまった
お楽しみはおしまい。聖なる町ケルンに
戒厳令が布告されたのだ
 

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